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科学技術振興機構(JST)は8月28日、 内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「セレンディピティの計画的創出」に参画する、光量子科学、電気工学、機械工学、化学、情報科学、医学、生物学など多くの異分野にわたる研究者の共同開発によって、「細胞の高速イメージングと深層学習」を活用した画像解析を行い、細胞を1つずつ網羅的に高速に識別し、その解析結果に応じて所望の細胞を分取する世界初の基盤技術「Intelligent Image-Activated Cell Sorter」を開発したと発表した。
同研究成果は、「cell(電子版)」で公開される予定。
生物学における主題のひとつとして、多種多様な細胞の組成・構造、形態などと生理機能の関係を調べることは重要だ。
しかし、均一であるとされる細胞群から「個々の振る舞いの違い」が観察されるケースがあることで、生命現象の理解は困難なものとなり、医療やバイオ産業の発展の妨げとなる。
従来の技術では、「個々の細胞から情報を得ること(細胞の情報量)」と「細胞を解析すること(解析可能な細胞数)」は、『トレードオフの関係』になっていた。
多様な細胞の網羅的な研究を行うことでのこのような限界をなくすため、多分野にまたがる専門家(光学や電気工学、情報科学、機械工学、生物学、医学など)が結集した研究グループが研究開発を進めたという。
今回、開発した基盤技術「Intelligent Image-Activated Cell Sorter」は、大量な細胞集団に含まれるひとつひとつの細胞を高速に撮像し、深層学習など最先端の情報処理技術を駆使して、それらの画像をリアルタイムに判別し、細胞集団の中から特定の細胞を分取するもの。
同技術は、「高速細胞分取技術(Fluorescence Activated Cell Sorter)」に、「顕微イメージング活性化(Image-Activated)」と「深層学習(Intelligent)」を融合した飛躍的な発展のある技術だという。
同研究グループは、今回開発した技術の汎用性を示す実験として、「異なるサイズ(3マイクロメートル〜30マイクロメートル程度)の種々の細胞の高速撮像」や、「循環がん細胞様細胞(がん患者の血液中にわずかに含まれる細胞)の画像の発見」などを例示している。
細胞を識別するアルゴリズムとしては、ビーズや細胞を用いた実験から、従来の画像処理アルゴリズムから最先端のコンボリューショナル・ニューラル・ネットワークまで幅広く対応可能なことを実証。
同技術の実用的な展開では、緑藻類クラミドモナス(コナミドリムシ)と血液中に含まれる血小板を「1秒間に約100回」の高速撮像・判別・分取が可能であることが示された。
また、クラミドモナスの実験から、20万個以上の細胞の中に「1%程度」だけ含まれている希少な遺伝子変異を引き起こした細胞の分取・培養にも成功。
血小板の実験では、血小板の複数の形態を判別して、血液中に含まれる凝集血小板を分取する実験にも成功し、技術の実用性・有効性が示された。
今回の研究で開発した装置は、分子生物学、微生物学、医学、薬学などの基礎研究の発展に寄与することも目指しており、オープン利用を展開している(http://www.goda.chem.s.u-tokyo.ac.jp/intelligentIACS)。
関連技術の事業化を進めるにあたっては、ImPACT発ベンチャーとして、株式会社CYBOが設立されている。
同研究グループでは、従来の細胞計測技術で検出・分取不可能だった細胞を分取・解析して、生命科学分野における様々な発見、バイオ産業・医療分野での開発が大きく発展すると期待されるとしている。
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