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理化学研究所(理研)は9月12日、菊地淳氏(理研環境資源科学研究センター環境代謝分析研究チームチームリーダー)、伊藤研悟氏(特別研究員)らの研究チームによって、『機械学習アルゴリズムの探索』を活用した、「核磁気共鳴(NMR)化学シフトの予測」を世界最高精度で達成したことを発表した。
同研究成果は「Chemical Science」に掲載されている。
同研究チームはこれまで、『赤潮発生時』の重要因子を機械学習やベクトル自己回帰モデリングを駆使することで可視化し、『天然魚の地域判別』に関わる重要因子抽出法を深層学習を駆使して開発するなどしてきた。
「NMR法」は、ラジオ波(携帯電話に近い周波数帯)を利用する分光法。計測する化合物の分子構造に応じて、固有の化学シフト周波数におけるシグナルを観測する。
この化学シフトは、化合物の分子構造を与えることで「量子化学理論に基づく演繹的な予測」が可能だが、その一方で、その理論値と実測値には誤差があるため、補正値が必要だった。
同研究チームでは、「量子化学理論による演繹的なアプローチ」と「機械学習による帰納的なアプローチ」の組み合わせによって、化学シフト予測精度のさらなる向上が見込めると推測し、その手法の開発に着手してきた。
同研究チームは、コンピュータを用いた量子化学計算により、多様な化学構造を持つ150の化合物の化学シフトとスピン結合定数の理論値を算出し、化学シフトの予測モデルを作成。
「NMR法」を用いて、これらの化合物の1Hと13Cの化学シフト(実測値)を取得。また、SpinAssignなどのデータベースを用いて、化合物の各部分骨格(部分構造)の同定を行った。
そして、これらを予測モデル作成のための機械学習用の学習データセット※とした。
※化学シフトの理論値と実測値の誤差…「目的変数Y」、理論化学シフト、理論スピン結合定数、構造記述子(隣接する元素の種類と個数)、極性溶媒の種類など…「説明変数X」
91種類の機械学習アルゴリズムによって、予測モデルを網羅的に作成・評価し、最良の予測モデルを探索した結果、化学シフトの予測に最も適した機械学習アルゴリズムを発見し、予測モデルを作成。
また、34の標品化合物と既報の海藻成分によって、シグナル予測・帰属の汎用性を検証した結果、「従来の量子化学計算のみの手法」や「機械学習のみの手法」と比べても高精度で、『世界最高精度の化学シフトの予測』が可能であることが明らかになった。
「IoT/ビッグデータ/AI」時代が到来したことで、AI予測に必要となってくる「分析ビッグデータ」の蓄積が求められている。
NMR法を活用することによって、農林水産物やヒト検体などの代謝混合物を対象にしての、より簡単な試料調製法でもビッグデータ取得にも適している。
また、最近では、NMR装置のコストダウン・小型化も進んでいる。
同研究チームでは、今後、「簡易NMR装置」とAIアルゴリズムによる評価手法を普及すれば、重要因子を代謝マーカーとした人間や農産物の恒常性予測・管理にもつながることが期待できるとしている。
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