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昨年末から新潟県・青森県内の食用アヒルを飼養する家きん農場や東山動植物園(愛知県名古屋市名古屋市千種区)のコクチョウなどを始めとして、野鳥からも感染が見つかるなど全国各地で「鳥インフルエンザ」感染が広がっている。
鳥インフルエンザウイルスが見つかった家きん農場では、大量の鶏(採卵・肉用)や食用アヒルが殺処分されているケースも見られる。
また、農場以外でもオオハクチョウやコハクチョウ、カモ、ツル、マガンなどの野鳥動物や動物園内での鳥インフルエンザの発生も確認されており、いずれも「高原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)」と呼ばれるウイルスへの感染だ。
昨年末に国内の家きん農場で確認された「高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)」。青森県と新潟県の2県でそれぞれ2例ずつ家きんの「H5N6亜型」ウイルスへの感染の発生が確認されている。また、北海道と熊本県、宮崎県でもそれぞれ1例ずつ同ウイルスへの感染が確認された。
(※家きん(家禽)の「禽」は鳥を意味するもので、農場で感染したのは肉や卵、毛などをとるために飼育されているアヒルや鶏など。)
青森県で発生した2例では、1例目はアヒル約1万8千羽を飼養する青森市内の家きん農場、2例目は同じくアヒルを飼養する同市内の家きん農場で発生しており、発生当時にはアヒル約4千7千羽を飼養していた。計2万3千羽近いアヒルが殺処分された後に土に埋められ、農場内は消毒などの防疫措置がとられた。
同じく2例の感染発生が確認された新潟県では、1例目は採卵鶏約31万羽を飼養していた関川村の養鶏農場で、2例目は上越市で採卵鶏約24万羽を飼養していた養鶏農場でウイルス感染の発生が確認された。その他の道県でもウイルス感染が確認された養鶏場では殺処分が進められた。
また環境省の発表によると、動物園でも大森山動物園(秋田市)と東山動植物園で相次いで、高病原性鳥インフルエンザが確認された。
本来は希少種の保存や繁殖の役割が目的である動物園では、感染した動物の扱いを始めとした感染拡大の防止や来園者の安全確保が課題になっている。
また、野鳥では茨城県(36事例)、鹿児島県(30事例)、新潟県(17事例)、愛知県(10事例)など15道県で133例以上の発生か確定している。
いずれも昨年11~12月にかけて発生しており、農林水産省の消費・安全局動物衛生課では、発生状況を発表するとともに家きん農場などへ鳥インフルエンザウイルス感染予防の対策を呼びかける。
具体的な高病原性鳥インフルエンザの予防対策としては、防鳥ネットなどを設置して、野鳥などの野生動物の家きん農場への侵入を防止、壁面の破損や屋根と壁の隙間といった ネズミなどの小型の野生動物が外部から侵入する箇所がないかの点検・修繕を行い、農場内へのウイルスの持ち込みがないように衣服や靴の交換・消毒を呼び掛けている。
特に、家きん農場が池などの野鳥生息地に近かったり、野生動物の生息しやすいような環境では定期的な点検・確認を行うことを呼びかけている。
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