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シスメックス株式会社は12月4日、自社が有する「アッセイノウハウ(測定プラットフォーム)」などを活用して、血中脂質と各種疾患に関する研究者を対象に、研究受託サービスの「研究用高比重リポ蛋白(HDL)機能測定」の提供を開始することを発表した。
『HDL(高比重リポ蛋白)』は、血管などに溜まったLDLコレステロールを肝臓へと運び、動脈硬化の発生(および進行)を抑制する役目を担っている。
近年では、この「HDL機能」を評価することは、心血管疾患の予防・管理の有用な目安になることが報告されている。
しかし、従来のHDL機能評価法では、「測定手技が煩雑」、「特殊な設備が必要」、「検査工程に数日を要する」などの課題があった。
シスメックス社は、2013年から神戸大学大学院医学研究科「立証検査医学(シスメックス)分野」における「冠動脈疾患関連分子マーカーの臨床的有用性の検証」の共同研究を進めていた。
ここでは、「HDL機能」に関する新たな測定法の構築や、その新たな測定法による「HDLのコレステロール取り込み能と冠動脈疾患の再発リスクとの関連性(J Appl Lab Med. 2017 Sep 2 (2) 186-200.)」の発見、さらには、「HDL機能」の冠動脈疾患リスクマーカーとしての可能性の発見など、数々の成果をあげてきた。
また、自社で有する免疫測定プラットフォーム(「研究用全自動高感度免疫測定装置HI-1000」)を用いて、共同研究で構築した新たな測定法を自動化することに成功。
HDL機能の評価を「約30分」で行うことを可能にした。
同社では、「研究用全自動高感度免疫測定装置HI-1000」を用いたタンパク質バイオマーカーの研究受託サービスのラインナップとして、「HDL機能測定(研究用)」以外の研究用測定項目も追加。
その他に、カイコなどを用いたタンパク合成技術によって、試薬原料(および試薬)の開発を行うなど、自社技術・ノウハウを複数活用した研究支援も行う予定としている。
同社は、自社で保有する測定プラットフォームや技術を活用した研究受託サービスを提供することを通して、「個別化医療の実現」を目指すという。
また、臨床現場における価値の高いバイオマーカーの実用化に向けて、研究開発を促進し、医療の発展に貢献するとしている。
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