運動・禁煙するほど保険料が安くなる「健康増進型保険」

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超高齢社会の国内では、国民の長寿化とともに『健康寿命の延伸』が課題にもなっている。仕事終わりのジム通いや、休みの日のジョギングやマラソンへの参加など、働き手の健康への意識も高まっている。

そんな中、生命保険業界では、加入者が運動や禁煙などを行うことによって、生活習慣・健康状態が改善すると保険料が安くなるという「健康増進型保険」が登場しており、各社が、次々と新サービスを開始している。

少子化・晩婚化で生命保険への新規加入者数は伸び悩んでおり、「健康」をキーワードにした顧客開拓とともに、加入者の「健康管理に対する意識」を高めることで、病気の発症を抑制し、保険金の支払いを抑えたい狙いだ。

少子化・晩婚化で、新規加入者が増えにくい生命保険市場

生命保険への加入は、結婚・出産などを契機に考える人が多い。しかし、少子化や晩婚化が進む影響で、新規加入社会数は増えず、近年、国内市場は縮小傾向にある

生命保険協会による報告では、2017年度の個人保険の新規契約件数は1,727万件で、前年度比では約1割減。

従来の保険商品は、加入時の審査はあるが、保険料は性別・年齢で決まっており、保険料は一律なものが一般的だ。

生命保険各社では、国民の健康寿命の延伸に対する意識の高まりを捉えて、新たな商品で加入者の需要を掘り起こし始めた。

「健康診断の受診結果」や「1日の歩数」などで保険料が変わる新サービス

住友生命保険は、運動量の増加や食生活の改善など健康の増進に努めると、保険料が割り引かれる新商品「バイタリティー」を7月24日に発売開始。 

同社取り扱いの死亡保険・医療保険などの特約として、月額864円(税込み)で提供する。この特約をつけると、月々の保険料が本来の水準よりも15%割引になる仕組みだ。

「健康診断の受診結果」や「1日の歩数」などに応じてポイントが付与され、ポイントの多寡で翌年の保険料も変わる。

保険料は、最大で30%割安(獲得ポイントが多い場合)となるが、逆に、獲得ポイントが少ない場合は、最大10%割高になる。


継続的な健康増進の活動のサポート商品として、保険の加入率が低い若年層にも勧められるとしている。

東京海上日動あんしん生命保険は、昨年8月、医療保険「あるく保険」を発売した。

同商品は、ウェアラブル端末と専用アプリで、加入者の毎日の歩数を計測し、一定期間の平均歩数が「1日8000歩」に達すると還付金が支給される

第一生命保険では、今年3月から、生命保険加入時の「健康診断書の提出」によって保険料が割り引かれ、さらに、診断結果が所定の条件を満たしていると、最大約20%割引という特約を提供開始。

明治安田生命保険は、来年4月から、毎年の健康診断の受診・診断結果に応じて、保険料の一部をキャッシュバックする新商品の発売を行う方針。

一方で、保険業界大手の日本生命保険は、この「健康増進型保険」の導入には慎重な様子を見せている。

まずは、運動などの健康増進活動が、どれだけ病気の発症リスクを減らせるかのデータ収集・分析が必要になってくるとの考えのようだ。

公開日 :2018.08.24 更新日 :2021.10.06

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