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爪に真菌が感染することによって、爪の混濁や肥厚、変形などをもたらす疾患である「爪真菌症」。
その多くは、白癬菌と呼ばれる真菌の感染による『爪白癬(爪水虫)』だ。
加齢に伴い、この『爪白癬』の発症リスクは上昇する。また、糖尿病患者、免疫が低下した人でも上昇することが分かっているほか、複数の研究からBMIが高い人でも上昇する可能性があることが示唆されているという。
今回、韓国・カトリック大学校医学部の研究グループの研究によって、体重が適正体重を上回ることで、爪白癬などの爪真菌症リスクが高まることが明らかになったことが報告されている。
同研究結果は、「Journal of the American Academy of Dermatology」3月号に掲載された。
「爪真菌症」は極めて高い頻度でみられる疾患である一方で、「爪真菌症」のほとんどの場合は、生命に関わるものではなく、無症状であることも多い。
米国では、成人の25%4に爪真菌症があるとの推計が報告されている。患者にとっての最大の悩みとなるのは、爪の外見が損なわれる点だ。
しかし、一部の患者では激しい痛みをもたらしており、他の感染症などを合併しやすくなる特徴が見られることもある。
これまで爪真菌症の患者には、肥満の人や糖尿病前症、糖尿病の患者が多いとされていた。
今回、同研究グループでは、韓国の国民健康保険加入者のうち、20歳以上の成人(約900万人)を対象に、2005~2012年のBMIの変化と爪真菌症との関連について検討した。
その結果、BMIの上昇に伴い「爪真菌症」の発症率が高まることが明らかになった。
1,000人当たりの爪真菌症の発症率は、「BMI18.5以下」の人が12.5件に対して、「BMI30以上」の人では29.7件と、2倍以上の開きがあったという。
今回の研究結果からは、「爪真菌症」のリスクの低減には、適正体重を維持するか、既に過体重であるなら適正体重まで減量することが重要になることを示唆するものと言える。
また、「真菌感染症」に発症した場合には、有効な治療法もあり、感染した場合には、できるだけ早期に外用薬による治療を開始する。重症の場合は、経口抗真菌薬を3ヶ月以上は使用することになる。
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