鶏の生肉メニュー、カンピロバクター対策を強化へ

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近年増加している食中毒の種類に「カンピロバクター食中毒」がある。鶏肉やその内臓肉が原因で発生することが多く、鶏の刺し身やたたき、鶏レバーなどの料理を食べると激しい腹痛や下痢を引き起こすことがあるという。

このカンピロバクター対策として現状では特に規制がなく、厚生労働省では今年6月に入って全国の保健所にカンピロバクター対策の強化を要請した。

飲食店に対して「生や半生で提供する鶏肉メニューを見直そう」というチラシを配布し、75℃の高温で1分間は鶏肉の中心部まで十分に加熱することを求めるなど、「生の鶏肉料理」の提供を見直すよう呼びかけ始めている

飲食店だけでなく利用客に対しても「よく加熱された鶏肉料理を選びましょう」というチラシを用意して、カンピロバクター食中毒への注意を呼びかけている。

夏場にカンピロバクター食中毒の発生頻度が増加

カンピロバクター食中毒は、細菌性食中毒の約6割を占める食中毒で、全国では毎年300件の食中毒が発生しており、約2,000人が腹痛や下痢などの症状を発症している。このカンピロバクターを含む細菌性食中毒は、毎年夏場に多く発生している

厚労省による今年6~8月の速報値でも、全国でカンピロバクターによる食中毒が56件発生しており、395人の患者が出ている。原因が判明しているものに限られるものの、原因となった食品のうち半数以上が鶏肉料理だった

規制のない「カンピロバクター食中毒」に注意呼びかけ

焼き鳥店などでは、鶏の刺し身やたたきといった生肉も人気のメニューに上っている。しかし、最近ではカンピロバクター対策のために、鶏肉の表面が白くなるまで茹でてから提供する飲食店も出てきているようだ。厚生労働省が今夏から飲食店に対して、鶏の生肉の提供を見直すように呼びかけているためだ。

生肉では2011年に牛肉のユッケを食べた5人が死亡する食中毒が発生した。これを機に厚労省では飲食店による生肉の提供に対して規制に乗り出し、2012年に牛生レバーの提供を禁止した。その後、牛の生肉に規制がかかったことで人気が増えた豚生レバーなどの豚の生食も規制し、2015年に禁止している。

しかし、脂っぽくないなどが人気の鶏肉については、現状では規制がなくその一方でカンピロバクターによる集団での食中毒がすでに発生している

新鮮な鶏肉でも安全とは限らず

今年4・5月には、東京都と福岡県で開かれた肉料理のイベントで、計800人以上が集団で腹痛や下痢などを引き起こす食中毒が発生した。両方のイベントに出店していた業者が提供していた鶏ささみや胸肉のすしが原因食品になったと言われている。

カンピロバクターはしっかり加熱すれば死滅するが、加熱が不十分だった場合には肉をさばく際に菌が生肉に付着することで感染する恐れがある。

厚労省研究班の報告では、きちんと食用処理した鶏肉の7割近くからカンピロバクターが見つかったという報告があり、「新鮮だから安全」というわけでもないようだ

厚労省では2013年に馬肉やシカなどジビエ(野生鳥獣の肉)も含めた生食対策の有識者会議を設置したが、2014年の同会議による報告書では、鶏は牛・豚に比較すると命に関わる危険性は高くないと判断して、流通段階でのカンピロバクター防止が可能なのかを研究して対策をとるよう方針をとっていた。

公開日 :2016.11.18 更新日 :2021.10.06

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